路線争い 2012 9 8

 「路線争い」というと、中高年の方は、懐かしいかもしれません。
一方、若い人には、いまいちピンと来ないかもしれません。
「主導権争い」と言えば、よいかもしれません。
 さて、中国の指導部人事が、なかなか固まらないと聞きます。
それは、「主導権争い」が絡んでいるからかもしれません。
 そうすると、現国家主席の「団派」と次期国家主席の「太子党」との争いか、
あるいは、「上海派」との争いかと連想するでしょう。
 しかし、もっと大きな「路線争い」があると思います。
それは、「改革開放路線」と「文革路線」、
つまり「ケ小平路線」と「毛沢東路線」の対立です。
 近年、「改革開放路線」の結果、
中国における貧富の格差は、アメリカを上回るほど激しいものがあります。
さらに、共産党幹部クラスの腐敗、汚職、特権階級化などが指摘されます。
 こうした「改革開放路線」の影の部分を強調すると、
「毛沢東時代の方がよかったのではないか」、
あるいは、「毛沢東時代に戻ろう」という動きも出てくるかと思います。
 このような「毛沢東路線」志向は、人民解放軍で強いと思います。
人民解放軍からは、政治の腐敗は座視できないでしょう。
そこから、「毛沢東時代への郷愁」も出てくると思います。
同時に、「毛沢東路線」は、「先軍政治」も意味します。
 本来であれば、共産党と人民解放軍は、一体のものです。
しかし、現在の党は、「毛沢東の共産党」ではなく、
国民政党になりつつあるのです。
 今では、「富裕層」でも「共産党」の党員になれると思います。
というよりも、今の中国で富裕層になるには、
ビジネスで成功するよりも、党幹部になって蓄財をした方が早いかもしれません。
これは、生粋の軍人から見れば、「腐敗」と見えるでしょう。
今後、「党」対「人民解放軍」の対立もあるかもしれません。

党の軍 2011 10 2
 相変わらず、南シナ海が緊張の高い状態にあると言えますが、
このような状態において、周辺国は、
中国外務省に抗議しても無駄だと思います。
 そもそも、人民解放軍は、中国外務省を見下していると思います。
中国において、「外務大臣」も外交担当の国務委員も、
政治局常務委員のメンバーでしょうか。
いや政治局委員にもなっていないと思います。
 中国は、共産党が国家を指導する体制です。
さらに、人民解放軍は国軍ではなく、党の軍であるという位置づけです。
(国務院の国防部は、人民解放軍に対する指揮権を持っていません)
そういうわけで、国務院の一部である中国外務省が何を言っても、
人民解放軍は、聞く耳を持たないと思います。
 将来、外交担当の国務委員が、
党の政治局委員になれば、
いや現状では人民解放軍の強大な力を考えれば、
政治局常務委員にならないと、事態は改善されないでしょう。

文民統制 2009 7 24
 シビリアンコントロールを確立するのは、
いつの時代においても、難しい。
 これは、以前も書きましたが、イラク戦争中、
「それは、ホワイトハウスが承知しているのか」という事態が、
何度かありました。
 アメリカですら、シビリアンコントロールは、
このような状態ですから、他の国は、どうなっているでしょうか。
 軍を完全に掌握するには、
強力なカリスマ性があるか、
大きな政治的実績があるか、
軍事的な天才であるか、
いずれかの要素が必要です。
いや、できれば、二つ以上該当することが望ましい。
 もちろん、民主主義国においては、
有権者(国民)の力が強いので、政治家の負担は軽減されるでしょう。







































































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